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1964年(昭和39年)12月20日 キングギドラ松本城に襲来! & 『ゴジラ −1.0』

59年前の1964年12月20日、東宝映画『三大怪獣地球最大の決戦』が封切られました。

この作品で初登場のキングギドラさん、来年「還暦」です!!

以前も記したとおり(リンク参照)キングギドラが初襲来した都市はココ松本!
ハリウッド版にも登場したこの宇宙大怪獣とのご縁について、松本の歴史書に載せて良いくらいだと思います。

今回はこの作品、関連して世界興収100億円目前の『ゴジラ −1.0』についてのお話です。

『ゴジラ −1.0』脚本・VFX・監督は、言わずと知れた松本市ご出身の山崎貴さん!!
両作品の大ファンとして「ぜひこのタイミングで記事を残しておかなければ」と考え、投稿します!

<目次>(クリックで、ページ内の項目に飛びます!)
(1)『三大怪獣地球最大の決戦』との出会い
(2)  山崎貴監督と『三大怪獣地球最大の決戦』
(3)『三大怪獣地球最大の決戦』に映る昭和39年の松本
(4)  松本城を破壊するのはゴジラとラドンの予定だった?!
(5)『ゴジラ −1.0』に関連して

(1)『三大怪獣地球最大の決戦』との出会い
私がこの作品を知ったのは40年ほど昔の昭和50年代、高校時代のこと。
「モスラ対ゴジラ」のリバイバル上映を観てファンになり、お小遣いで関連書籍やカセットテープを買いました。
レンタルビデオが普及する前であり、地方で得られる情報はごく限られていたのです。

ある時、写真内のカセットテープ『ザ・ヒストリー・オブ・ゴジラ』(映画音声のダイジェスト)により、『三大怪獣地球最大の決戦』にて、キングギドラが松本市に飛来することを知りました。

そして『MOVIEコミックス 三大怪獣地球最大の決戦』により、それがどのような映像であったのか判ったのです。

大学に進学後、昭和60年代にその「動く映像」を東京で初めて目にしました。
嬉しくなって、松本に帰省した際には映像の場所を訪ねてみたものです。(「聖地巡礼」?)

ただ、当時は映画公開からまだ20年程度でしたから、「作品に映る街並み」と「目にする景色」にさほど大きな違いが感じられず、「写真に撮っておこう」とまで思いませんでした。
しかしその後、近代化事業により街は大きく姿を変え、写真に残さなかったことを残念に思っています。

実は、私がこのように「昔の画像(映像)」と「目にする景色」の比較を試みたのは『三大怪獣地球最大の決戦』が初めてで、大切な思い出でもあります。
この作品がなければ、当『松本の古写真』ホームページは存在していなかったかもしれません。
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(2)  山崎貴監督と『三大怪獣地球最大の決戦』
私は令和5年11月3日に『ゴジラ −1.0』の初回上映を、松本市内のシネコン「シネマライツ8」さんで鑑賞しました。
本編開始直前に山崎貴監督の同館オリジナルメッセージ映像が流れたほか、終幕時には自然と大きな拍手が沸き起こりました

上映に併せた「企画展示」です。

エクセラン高等学校美術部の皆様による素晴らしい「黒板アート」!
「拡散歓迎」とのことですので、画像クリックで拡大可能にしています!!

そこに『三大怪獣地球最大の決戦』に関する展示が!

次の掲示にはとても興味深いことが書かれていました。

読みやすく加工させていただきました。(クリックで拡大)

この記述によれば、『三大怪獣地球最大の決戦』こそ山崎監督の「映画づくりの原点」とのこと!!

この映画は、ゴジラやラドンに加え、キングギドラが初めて登場した作品です
しかも、この宇宙怪獣が初めて襲来した都市は、まさにココ松本市!
山崎貴少年が日々目にしている街中で人々が逃げ惑う映像が、映画館で流れていた訳です。
それはそれは印象的だったにちがいありません!

では、その映画に映っていた場所は、現在どのようになっているのでしょう?
つづいては、その現在の様子を『Googleマップ ストリートビュー』により探ります
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(3)『三大怪獣地球最大の決戦』に映る昭和39年の松本
※掲載した静止画は敢えて画質を落としております。
ぜひ各種媒体にて「本編映像」をご覧ください!

 最新の技術により超高画質な映像が楽しめます。

上映開始から約54分後、キングギドラが松本上空に近づいてきました。
松本市広報課の宣伝カーが、市民に避難を呼びかけます。

この場所は「上土(あげつち)通り」です。
画面左側には「ノセ眼鏡店」さんの本店があります。

さらに、このすぐ近くには、1971年(昭和46年)に山崎貴少年が『三大怪獣地球最大の決戦』(リバイバル短縮版)を観た映画館がありました!
ゴジラ映画は、当時「東宝チャンピオンまつり」(リンク参照)のメインコンテンツ。
この企画のご当地上映館は、「松本演伎座東宝」さん(後に「松本エンギザ」→2010年に残念ながら廃業)でした。

私の映画館での初ゴジラ体験も、「松本演伎座東宝」さんでの、1977年(昭和52年)「東宝チャンピオンまつり」の『キングコング対ゴジラ』(リバイバル短縮版)。初めてゴジラ映画を観た場所が「山崎貴監督と同じ」なんて、激しく光栄です!

続けては、ビルの屋上で空を飛翔するキングギドラを指さす人々の姿が映し出されます。

このビルは「松本市役所本庁舎」で、現存しています。

今度は、人々がさほどは広くない路地を逃げ回っています。

ここは「伊勢町通り」のうち「新伊勢町付近」の交差点です。
再開発により道路が拡幅され、様子は一変していますが、正面左側の「栗林薬局」さんは同じ場所で営業を続けられています。

続いても商店街ですね!

「ナワテ通り」のフルーツ専門店「越中屋」さん前です。
当時は2階でフルーツパーラーを営業されており、映画では店内から外の様子を望むカットもあります。

次の場面。中央の白い建物が先ほどの「越中屋」さん
手前の橋は、女鳥羽川に架かる「中の橋」です。

「越中屋」さんの左側は「松本中劇」という洋画系の映画館でした。
この映画館は2004年(平成16年)に閉館し、現在はマンションが建っています。
左奥の「八十二銀行松本営業部」の入るビルが、映画の頃に建築中ですね。

そして、松本城の「埋橋(うずみばし)」で人々が逃げ惑うシーンに続きます。

この光景は、当時も今もあまり変わりませんね。
ただ、埋橋は2011年(平成23年)の松本地震以来通行止めになっており、再開が待たれるところです。

ほどなく、キングギドラが「松本城」の真上を南から北へ飛翔します
 キングギドラの飛来ルートは、過去投稿「【番外編】松本城と怪獣(禍威獣)たち」(リンク参照)「(2)松本城とキングギドラ」を参照願います。
天守にかなりのダメージを与えるものの、倒壊には至ってない感じです。
松本城天守、超頑丈ですね!!



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(4)  松本城を破壊するのはゴジラとラドンの予定だった?!
少し話を戻します。
『ゴジラ −1.0』の封切日に、「シネマライツ8」さんにて井口昭彦さんのサイン会が催されました。
井口さんは松本市のご出身で、メカゴジラをデザインされた方です。
<令和5年11月4日付『市民タイムス』
 

サインをいただいたのは、井口さん原画による「松本城で対峙するゴジラとラドン」の「シネマライツ8」オリジナルクリアファイルです。

ただ、実際の映画にこのようなシーンはありません。
しかし、何と!台本の「決定稿」では「ゴジラとラドンが松本城で戦う」ことになっていたのです!!
つまり「幻のシーン」が描かれたクリアファイルという訳です。

元の台本は、『三大怪獣 地球最大の決戦 コンプリーション』(ホビージャパン編集部:2023年)に掲載されています。

この映画を知るうえで最高の書籍
『三大怪獣』ファンのみなさまには、特におススメの一冊です。
その「決定稿」には、
ラドンが松本城天守上にとまってゴジラをからかう
・怒ったゴジラがラドンを攻撃
・その結果、天守が破壊される

...といった様子が記されていました。(詳細は、上記書籍をご参照ください)
ラドンの体重は実に1万5千トンもあるのですが、松本城天守はその重さにも耐えたようです。
やっぱり、やっぱり!松本城は頑丈です!!

それが、最終的には「松本城に来襲するのはキングギドラ」に変更のうえ、撮影されました。

これは全くの私の推測ですが、撮影部隊が実際にロケハンした結果...
・松本城の二の丸エリアが、二大怪獣を暴れさせるには思いのほか狭かった?
・三の丸エリアにはビルや商店・住宅が立ち並んでおり、ミニチュア製作コストがかさむ?

...などが判明したのではないかと思います。
でもその結果として、松本がキングギドラの初飛来地になった訳ですから、それはそれでとても名誉なことですね!!

なお、クリアファイルの反対側の面には、西川伸司さんによる映画どおりの「松本城に襲来するキングギドラ」が描かれています。

うーん。
でも、やっぱりゴジラとラドンが松本城で戦う姿も見てみたいですね...
山崎監督いつかぜひお願いします!!

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(5)『ゴジラ −1.0』に関連して

最後に、私的な『ゴジラ −1.0』関連体験を少しご紹介させてください。

映画公開に先だつ7月15日から10月29日まで、松本市美術館にて「映画監督 山崎貴の世界」展が開催されました。
素晴らしい展示の数々に感激しましたよ!

写真撮影も、ほとんどの展示物で可能でした!
(本記事のテーマ外なので泣く泣く省略します...)

最終的な来場者は5万人を超えたようです。

圧巻は、特別展入口にあった『ゴジラ −1.0』の大型ディスプレイモデルです。
映画で観たマイゴジ「そのもの」で、スゴイ迫力!!
今にして思えば、封切前にコレを間近に見ることができたのはとても幸せでした。

それから11月25日(土)に、映画公開記念「旧岡谷市役所庁舎 特別公開」に参加しました!

岡谷へは、松本から一般道でも1時間弱で到着できます。
私事ですが、10年ほど前にすぐ近くで勤務していました。
当時この建物は岡谷市「消防庁舎」として現役でしたが、後にゴジラ映画の舞台になるなど想像もできませんでした。

イベント中は「第二復員局」の看板が掲げられていましたよ。

二階に案内されました。「あの部屋」ですね!
撮影時の写真や、衣装が多数展示されていました。
あれ?でもココ「第二復員局」でしたっけ?

こ、これは!!

窓から外を見ると...

奥に進んでみると...
おぉ、あの感動的な場面もココで撮影されたのか!

一階に来ました。
なるほど、この部屋は、確かに「第二復員局」のようです。

以上、この項が「なんのこっちゃ?」という方は、今からでもぜひ映画館で『ゴジラ −1.0』をご鑑賞ください!!

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ということで本記事を閉じようと思ったのですが...

令和5年12月16日「ウルトラマンブレーザー」第22話 にて、松本市にレッドキングやギガスが現れるという緊急事態が発生しました!
初代ウルトラマンに登場した、私たちの世代に特に馴染みある怪獣たちではないですか?!
なぜこのタイミングで?!

ただし、松本城の遠景は映るものの、戦闘シーンは???

それでも、こうして特撮モノにどんどん松本が登場してくれると、地元ファンとしては嬉しいものです
これからもいっそう期待したいですね!!!

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