古写真 建物 松本城 歴史

松本城の南隅櫓(1)

今回は、松本城関連の古写真をご紹介します。
元のサイズは縦6センチ、横9.4センチで、名刺判写真の一種です。

皆さんはこの写真がどこを撮影したものか、お判りでしょうか?

答えは、松本城二の丸を、南側から撮影したものです。
撮影時期は明治20年頃とみられます。

現在の様子はストリートビューでご覧ください。

ここは松本城の玄関口として、多くの観光客を迎え入れている場所です。

しかし、松本城のこの位置に、元々入口は造られていませんでした。
橋も架かっておらず、二の丸と三の丸との間は水堀と土塁で遮られていたのです。

上の古写真をご覧ください。
橋の左右で、土塁が深く削られていることが確認できますね。

古写真の中央に写る建物は、明治18年に建てられた「長野県中学校松本支校(後の松本深志高校)」校舎です。
この校舎の新築に合わせて、正面入口を開くために土塁が削られ、橋が架けられたとみられます。

それにしてもこの橋、当時としてはずいぶんモダンなデザインですね。
私は新宿に出かけた際、高島屋と紀伊國屋サザンシアターの間に架かるアーチ橋を見る度に、この古写真を思い出しています。

先ごろ国宝に指定された「旧開智学校」以降も、大工さん方は学校建築に「こだわり」をもって臨んでいたのでしょうね。

さて、この古写真の左端に「お城」のような建物が写っていることにお気づきでしょうか。
これは、南隅櫓(みなみすみやぐら)の一部です。
明治時代に造られたジオラマ(松本市博物館に常設展示)をご覧いただくと、イメージしやすいと思います。

ところで、松本城を知るうえでとても貴重なWebサイトがあります。それは「国宝松本城を世界遺産に」というサイトです。
その「松本城クイズ」のうち、「松本城の整備計画について(2)」というページをご覧ください。
(「松本城クイズ」は、他のページもとても勉強になる内容です)
その4番に、南隅櫓に関するクイズ・回答と、上の古写真とほぼ同じアングルの写真が掲載されています
校舎前の樹の高さから、上の古写真よりも1~3年前の撮影と思われます。
しかし残念ながらいずれの古写真の撮影者も、新校舎や橋の撮影が目的で、櫓には全く関心がなさそうです

当時、城郭は棄て去るべき旧時代の象徴だったのかもしれません。
あらためて松本城天守が守られたことの「有り難さ」を感じますね。

この記事は、その(2)に続きます。

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