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私は大学時代に日本史学(中世史・近世史)を専攻していましたが、社会人としては全く畑違いの仕事に就き、歴史学と縁遠い生活を長く過ごしておりました。 しかし仕事柄長野県内各地を転々とする中でさまざまなご縁に恵まれ、造詣が深いお取引先や先輩方との出会いを通じて、地元信州の歴史に強い関心を抱くようになりました。それから、嘗ての専攻を生かし、何らかのテーマをもって多少なりとも専門的に取り組みたいと思い始めたのです。
しかし、変体仮名を読むような技能は完全に失っていますから、江戸時代以前の史料にあたるのはハードルが高すぎます。そのため、専ら明治以降の活字になった史料から読み始めました。
明治中期以降は印刷技術・写真技術の発達により、史料に写真付のものがみられるようになります。そうした史料によって100年以上昔の松本の姿を目にすると、文章のみの場合に比べ、当時の様子がより生き生きとイメージできました。
その一方で、多くの史料に当たれば当たるほど、撮影時期・場所が不詳の古写真が非常に多いということもわかってきました。この分野は比較的研究が進んでいないテーマであることを実感し、アマチュアの調査対象として魅力を感じるようになったのです。
そこで平成20年頃から古絵はがきを中心に、史料の収集と比較の作業を始めました。
ただ、趣味にあまり多くのコストをかけることはできませんでしたので、ネット上を中心に数百円から2~3千円程度で販売されているものを丹念に探しました。このサイトで紹介している絵はがきや古写真資料は、10年以上かけて地道に入手してきたものです。
その間、ネットや書籍で紹介されている松本の古写真については、相当数を目にしてきたと思います。
そのような中で偶然の発見があり、平成27年3月発刊の『松本市史研究‐松本市文書館紀要‐第25号』にレポートを掲載いただく機会に恵まれました。
その巻末に於いて、当地歴史研究の第一人者で松本市文書館を立ち上げられた小松芳郎先生より、「(執筆者の「私」が)入手された明治期の古写真二枚を手掛かりに分析をすすめ、当時の松本の姿を再現するという試みをされています」という勿体ないお言葉を賜っていたのですが、その後すっかり調査・発表を怠ってしまい、先生のご期待に背く状態が続いておりました。
昨年、地元松本に異動となったのをきっかけに、Webを用いて「当時の松本の姿を再現する」ことができないかと思い立ち、「新元号初日」を目指して少しずつ準備を進めてまいりましたのがこのサイトです。
少しずつコンテンツを充実させてまいりますので、今後ともぜひお立ち寄りくださいますようお願い申し上げます。